【音盤銘盤】『ラバー・ソウル』(The Beatles) '65
傑作揃い。ビートルズ史の中でも代表的な曲がこのアルバムには多数収録されている。奇跡的な一枚である。
ラバー・ソウル (1998/03/11) ザ・ビートルズ 商品詳細を見る |
「Norwegian Wood」「Nowhere Man」「Michelle」「In My Life」他、彼らの代表曲が揃っている。オールスター勢揃いの風情である。
「Norwegian Wood」ではインドの楽器、シタールを導入する。飽く無き試みをスタジオで行った成果が結集している。同時期にローリング・ストーンズは「Paint it black」で同じくシタールを取り入れた演奏をしているが、楽器の使い方は極めて対照的である。ストーンズでのBrian Jonesの演奏は尖った、先鋭的な音となって聞こえてくるが、ビートルズのGeorgeの演奏は非常に繊細、かつゆったりとした奏で方をしているのが分かる。同じ楽器を使用していながらこれだけ解釈が変わるのは興味深い。
「Nowhere Man」 Johnの内省的な指向が歌詞に現れているのが分かる曲。若くして売れ過ぎたのが精神的に重荷になりつつあるのが痛々しく感じられる。
「Michelle」 曲の途中にフランス語を盛り込んだユニークな逸品。クラシック風の落ち着いた曲調にはベテランの風格すら感じる。
「In My Life」 クラシック風のピアノ・ソロが印象的な曲。既にロックの範疇を超えつつあるのが分かる。同世代のグループでは明らかに曲のクオリティ、カバーするジャンルの幅広さで圧倒している。
あと、タバコ(でいいのかしら?)を吸う音が入った「Girl」も捨て難い。
同時期に発売されたシングル「We Can Work It Out」「Day Tripper」もAB両面とも漏れなくハイレベルな出来なのが彼らのすごい所。