洋楽好きの音盤銘盤

やっぱり洋楽は60年代が格好良い

【音盤銘盤】『クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル(スージー・Q)』(Creedence Clearwater Revival) '68

いままでブリティッシュ・ロックが中心であったが、アメリカのグループもここで紹介する。60年代後半に大ヒットシングルを多く世に出したバンド、CCRである。


スージー・Q+4スージー・Q+4
(2010/12/22)
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル

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Creedence Clearwater Revival略してCCRの1stアルバム。ジャケットには前年のサイケデリック・ムーブメントの余韻が残っているけれど、音楽は非常にストレートかつ、シンプルなロックが多い。当時は派手な装飾を施したきらびやかな音楽が流行していたが、それと真っ向対立するかのような骨太の泥臭いロックを聴かせてくれる。筆者がこのアルバムを初めて聴いたのは高校1年の事。当時Rolling StonesのようなR&B指向の強い曲にはまりつつあった頃なので、CCRのギター中心のR&Rもよく聴いたものである。

"I Put a Spell on You" Screamin' Jay Hawkinsによるブルースのカヴァーから始まる。CCRの特徴的なトレモロの畳み掛けるギターのリズムが心地よい。

"The Working Man" 初期のストーンズのようなシンプルなギター・ロック。アメリカらしい軽快な仕上がりである。

"Susie Q." Dale Hawkinsのカヴァーで初期CCRの大ヒットシングルとなった曲。アルバム版は8分あまりの長尺の曲だが、決して飽きさせない所が凄い。リズムは極めて単調でありながらいつまでも聴いていたい様な不思議な空気感が表れている。中盤以降ギターのフレーズがサイケデリック調に変わったりと様々な工夫を凝らしている所に彼らの実力を垣間見る事ができる。Stonesの「12×5」に収録されているカヴァーと聴き比べてみるのも一興。ストーンズのスピード感とCCRの壮大な構成とどちらも甲乙付け難い。

"Ninety-Nine and a Half (Won't Do)","Get Down Woman" 1stアルバムでありながらこれだけ完成度の高いR&Bが作れた実力は高く評価されて良いだろう。結構CCRのメンバーは下積み経験が長いのである。

"Porterville" いかにもアメリカン・ロックという感じのゆったりしたリズム。明らかにブリティッシュ・ロックに無い奥行きを感じる1曲。

"Gloomy" John Fogertyの囁く様なヴォーカルで始まったかと思うと、途中からサイケデリックで幻想的なギターに引き込まれていく。シンプルなR&Bだけでなく、実験的な作品も残している。

"Walk on the Water" 淡々と刻むリズム感が心地よい。後半から畳み掛ける様に進むギター・ソロが格好良い。初期の隠れた名曲である。

CCRはシングル曲では超有名な曲が結構多いが、アルバムも聴き応えのある名曲が沢山ある。アルバム単位で聴いてみると彼らの新たな側面が見えてくると思う。