洋楽好きの音盤銘盤

やっぱり洋楽は60年代が格好良い

【音盤銘盤】『バイヨー・カントリー』(Creedence Clearwater Revival) '69

CCRの2ndアルバム。彼らの出世作プラウド・メアリー」を収録。CCRのギター中心の路線が確立するのが、この頃である。


バイヨー・カントリーバイヨー・カントリー
(2011/02/23)
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル

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筆者が高校生の時(1993年頃)に購入したアルバムはA面B面の曲順が逆だったが、近年のリイシューでは曲順が元に戻った(それとも現在の方が逆なのか?)ようなので、現在リリースされている盤の順序で紹介する。

"Born on the Bayou" CCRのスタイルがこの曲で確立されたと言って良いだろう。長尺のゆったりしたリズムを端正に刻む所が心地よい。JohnとTomのFogerty兄弟による軽いディストーションのかかったギターがCCRの持ち味となる。ライブでも定番の曲である。

"Bootleg" アコースティックギターの淡々としたリズムが印象的なナンバー。初期のストーンズのような隙間の多い音が今聴いても新鮮。

"Graveyard Train" 「墓場行きの列車」の邦題を持つ名曲。8分を超える長尺の曲である。ブルースに対するメンバーの拘りが並々ならぬものであるのが、聴いていてよく分かる逸品。陰影のある静謐なトーンで淡々とギターがリズムを刻み続けるかと思うと、中盤からハーモニカの呻く様な音色がかぶさってきて異質な空気感を醸し出しているのが特徴的。Johnのヴォーカルもまるで地底から響いてくるかの様なおどろおどろしい印象。軽快なシングル・ヒットを飛ばすCCRとは全くの別世界がここに存在する。

"Good Golly Miss Molly" シングル・ヒット曲に通じるスピード感溢れるナンバー。カヴァー曲のレパートリーからの1曲。50年代のリトル・リチャード風のR&Rである。Johnのシャウトが格好良い。

"Penthouse Pauper" 「天井小屋の乞食」という邦題がインパクト大の曲。切り裂く様に搔き鳴らすギターの音色が衝撃的。

"Proud Mary" CCRの名前を全米に知らしめた大ヒットシングル曲。ミシシッピ川の蒸気船をテーマにした曲であるが、実はメンバー全員は西海岸の出身であり、ある意味漠然とした想像ないし印象で綴られているのが面白い所である。無論、決して曲のセンスを損なっていないのは彼らの音楽的センスによる所が大きい。筆者が高校生だった当時、NHKで「エド・サリバン・ショー」を放映していたが、その中でこの曲が取り上げられていた回があったのを記憶している。メンバーが演奏している背景に蒸気船の車輪が映し出されている映像が印象深かった。

"Keep On Chooglin'" 当時のCCRのライヴで定番となる曲。ライヴではオリジナル以上の長尺でギター・ソロを演奏するのがお約束(?)のようで、一番盛り上がる所なのではなかろうか。程良いスピード感でリズミカルに進んでいくのが彼らのスタイルである。

『バイヨー・カントリー』はCCRの評価を決定付ける事になった作品と言える。それにしても短い期間の中で(活動期間は僅か4年程度)、これだけ沢山のヒット作を産み出したグループもそう多くはないだろう。