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【音盤銘盤】『ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ・ウィズ・エリック・クラプトン』 (John Mayall & Blues Breakers) '66


ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ・ウィズ・エリック・クラプトンジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ・ウィズ・エリック・クラプトン
(2006/06/21)
ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ・ウィズ・エリック・クラプトン

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Yardbirds脱退後にClaptonが加入したバンドがJohn Mayall & Blues Breakersである。

次第にポップス寄り、売れ筋のシングル曲を指向するYardbirdsとは反りが合わなくなったClaptonは、より本格的にブルースを追究できるJohn Mayall & Blues Breakersに加入する事に。このJohn Mayall & Blues BreakersというグループもまたYardbirdsと同様に秀逸なミュージシャンを輩出している。Claptonを筆頭にJack Bruce(後のCream)、Peter Green, John McVie,Mick Fleetwood(後のフリートウッド・マック)、Mick Taylor(後のローリング・ストーンズ)等、名だたるメンバーが揃っている。John Mayall氏がいなければブリティッシュ・ロックの流れも随分異なるものになってしまっていたに違いない。

あまり巧い例えではないが、John Mayallは日本のお笑いで擬えるならばブッチャーブラザーズのような人物なのではないかと思っている。John Mayall本人はもの凄く有名という訳ではないが、彼に見いだされて売れていった人物は多数いる、という点では共通しているのである。数年前に「アメトーーク」の企画「ブッチャーブラザーズの子供たち」を見ていて何となくそう思ったのを覚えている。ブッチャーブラザーズの存在を知ったのも実は「アメトーーク」からなのであるが、伊集院光カンニング竹山アンタッチャブルアンジャッシュ等、東京の事務所の芸人で売れている人の多くがブッチャーブラザーズに見いだされている所なんかはよく似ているのである。

さて、本題に戻る。このアルバム、ジャケット写真が印象的。メンバーが何の変哲もない道端に佇んでいる所を撮っている写真である。洒落た感じは一切なく、華美な雰囲気は全く見られない質素な雰囲気である。Claptonに至っては新聞に視線を落としている有様である。(恐らくわざとと思われる。)後に"GOD"と称されるようになる前の等身大のClaptonが写る貴重な一枚である。

肝心の演奏の方はYardbirds時代以上に渋さを増したブルースの演奏が聴ける。特に"Hideaway","Steppin' Out"のようなインストゥルメンタルではClaptonのギターさばきを十二分に堪能できる。

John Mayallがヴォーカルの曲でも端正なギターを賞味できるのが嬉しい。全体的にスーパースターになる前の「一バンドのミュージシャン」に収まっている雰囲気が非常に新鮮である。

若手時代の初々しい演奏が聴けるという点でなかなか優れものである一枚と思う貴重な作品。