洋楽好きの音盤銘盤

やっぱり洋楽は60年代が格好良い

【音盤銘盤】『サウンド・オブ・サイレンス』(Simon & Garfunkel) '65

アルバムタイトルと同名曲が大ヒットしたS&Gの、そして60年代の傑作アルバム。ビートルズをはじめとする英国R&Bグループに触発されてフォークからロックに転向した姿がここにある。フォーク・ロック人気を確立した作品。


サウンド・オブ・サイレンスサウンド・オブ・サイレンス
(2003/12/17)
サイモン&ガーファンクル

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このアルバムがリリースされた頃はビートルズをはじめとするブリティッシュ・ビートがアメリカに波及する時期と重なる。その影響もあり、今までフォークに傾倒していたミュージシャン、S&Gや、Bob Dylanもロックに影響を受けるようになる。『サウンド・オブ・サイレンス』のアルバムだと"The Sounds of Silence","Blessed","Richard Cory"は当時最新鋭のエレキギターを全面に押し出した、ノリの良いリズム感が心地よい。

"Leaves That Are Green","Kathy's Song","April Come She Will"といったアコースティック系の曲も健在だが、難解で抽象的な聖書の影響を受けた歌詞は鳴りを潜め、恋人への思いを綴った叙情的な曲が増えるようになる。彼ら自身も本格的に「売れる」曲というものを真剣に考えだすようになったのかもしれない。

印象的な曲を幾つか紹介。

"The Sounds of Silence" 前アルバムに収録されたバージョンと比べて明らかに軽快なリズムになっている。Bob DylanやByrdsのようなフォーク・ロック調に仕上がっていて、シャープで締まった曲調。これなら当時シングル・ヒットしたのも当然と言える。但し、歌詞は凄く哲学的、抽象的な文言で綴られているので、この曲を初めて聴いた中学生当初はエラく難解でした。(無論、今歌詞を読み直してもなんだかよく分からない。重苦しい印象が残るばかりです。)

"I am a rock" 中学3年の時にこれを聴いて、別に友達とつるんで楽しく過ごさなくても間違いじゃないことに気づく。独りでいることにいたく勇気付けられた曲。

"Anji" このアルバム唯一のインストゥルメンタルポール・サイモンのギターの演奏力が十二分に発揮されていて、堪能できる曲。高校時代、部活の同級生がよくこの曲を弾いていたのを思い出す。