洋楽好きの音盤銘盤

やっぱり洋楽は60年代が格好良い

【音盤銘盤】『パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム』(Simon & Garfunkel) '66

S&Gの3rdアルバム。このアルバムも有名曲が揃っている。


パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイムパセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム
(2003/12/17)
サイモン&ガーファンクル

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S&Gの代表曲「スカボロー・フェア」"Scarborough Fair/Canticle"で始まる。他の曲も1st,2ndアルバムを経て洗練されているのが聴いていると分かる。中には当時の流行を反映してかなり実験的な作曲に挑戦しているのがこのアルバムの特徴。

"Homeward Bound"「早く家へ帰りたい」 望郷の念を歌った佳曲。個人的にはセントラルパークのライブ版の出来が最高だと思っているが、このオリジナル版のドラムとフォーク・ギターとの構成も悪くない。

"The Big Bright Green Pleasure Machine"「プレジャー・マシーン」,"A Simple Desultory Philippic (Or How I Was Robert McNamara'd into Submission)"「簡単で散漫な演説」 どちらもBob Dylanに影響を受けたと思しき曲。ギターのスピード感が優れている。

"The 59th Street Bridge Song (Feelin' Groovy)"「59番街橋の歌 (フィーリン・グルーヴィー)」 S&Gはアメリカの都会が似合う曲が多い。これはその中でも代表曲。21世紀の現在でも古臭くならず、洒落た雰囲気が良い。

"7 O'Clock News/Silent Night"「きよしこの夜/7時のニュース」 ヴォーカルのフェードアウトと、ラジオニュースのフェードインを組み合わせた実験作。このアルバムが制作された当初はビートルズをはじめ、様々なミュージシャンが実験的な曲作りに勤しんでいた時期。例えば、録音テープの逆回転、鐘の音、観客の歓声等の効果音、ラジオのジングルを挟んだりと創作的な取り組みが行われていた。この曲のようにヴォーカルとラジオニュースをクロスさせて曲に仕上げる手法はこの時期でも珍しい部類に入ると思う。ニュースの内容もベトナム戦争キング牧師等世相を反映したものを取り込んでおり、ロックが知性を持ち始める象徴的な作品と言える。