洋楽好きの音盤銘盤

やっぱり洋楽は60年代が格好良い

【音盤銘盤】『ザ・ローリング・ストーンズ』(The Rolling Stones) '64

ビートルズの公式アルバムについて一通り書いてきたので、次はストーンズについて紹介しよう。

1964年に発表されたストーンズのデビューアルバムである。このアルバムから始まる転石の歴史は21世紀まで続く。


ザ・ローリング・ストーンズザ・ローリング・ストーンズ
(1995/02/25)
ザ・ローリング・ストーンズ

商品詳細を見る

このアルバムは何はなくともジャケットが格好良いね。スーツ姿で佇むMick,Keith,Bill,Charlie、それに独りベストを着たBrianが独特の存在感を醸し出している。

同時期に発売されたBeatlesの2nd(「With the Beatles」)みたいにくっきりとしたコントラストが音楽に無いのが特徴的。その代わりに靄でもかかったみたいに茫洋とした様が対照的であり、若いにもかかわらず渋さが際立っている。

UK盤なら"Route66"、US盤なら"Not Fade Away"、これらの曲からストーンズの長い歴史は始まった。(正確にはシングル"Come on"からだが・・)CharlieのドラムとKeithのギター・リフのイントロはいつ聴いても格好良い。

"Tell me" この時期のストーンズはカバー曲が中心である。この辺りはビートルズと極めて対照的である。ストーンズがオリジナル曲に目覚めるようになるのは、翌年の"Satisfaction"まで待たねばならない。この"Tell me"はアルバムの中で数少ないオリジナル曲。シングル盤のバージョンと異なり、アルバムだとエンディングがフェードアウトせず、歌の途中で切れてるのはご愛嬌だろうか?結構ラフな感じで制作する所がこれまたビートルズとは対照的。(シングル盤とアルバムで曲がダブってるのも同様。。)

"Walking The Dog" バックコーラスやっているのはBrianなのでしょうか?ストーンズ関連の書籍を読む限り、いま一つ確証が得られないのだが、個人的にはBrianの声と信じている。

この他の曲もカヴァー曲が中心で、渋好みのブルースが多いのが特徴。Mickの歌い方は如何に黒人ぽく、渋く、重厚な感じに歌い上げるかに力を入れている所が初々しくて良い。こういった所がビートルズと一番方向性が異なる点と言って良いだろう。"Route66","Carol"は比較的軽快なリズムで歌い上げているが、音質のせいもあって全体的にこもった音に仕上がっているのがこの時期のストーンズの音楽と言える。(録音機材が貧弱であった点も否めない。。)

それと、”Now I've Got a Witness”のようなインストゥルメンタルが収録されている所もストーンズらしいこだわりが感じられる所である。歌より演奏に重きを置いている感じもビートルズと際立った違いが現れている点である。