洋楽好きの音盤銘盤

やっぱり洋楽は60年代が格好良い

【音盤銘盤】『ビッグ・ヒッツ(ハイ・タイド・アンド・グリーン・グラス)』(The Rolling Stones) '66

ストーンズのデッカ・レーベル在籍時のうち、前半部(63〜66年)のシングルヒットを中心とした編集盤。当時の大ヒット曲であり、今に至るまでストーンズの代表曲となる曲を多数収録している。

UK盤


ビッグ・ヒッツ(ハイ・タイド・アンド・グリーン・グラス)ビッグ・ヒッツ(ハイ・タイド・アンド・グリーン・グラス)
(1989/04/25)
ザ・ローリング・ストーンズ

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US盤


ビッグ・ヒッツ(ハイ・タイド・アンド・グリーン・グラス)ビッグ・ヒッツ(ハイ・タイド・アンド・グリーン・グラス)
(2002/11/09)
ザ・ローリング・ストーンズ

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この時期のストーンズのアルバムで困ったことになっているのは、各国で収録曲がバラバラなまま不統一な形でリリースされていたことである。

このアルバムも例外ではなく、UK盤とUS盤でも相当収録曲のラインナップに相違がある。個人的によく聴いていたのはUK盤の方なので、こちらを基準に紹介していく事にする。

"Come on" 言わずと知れたストーンズのデビュー・シングル。チャック・ベリーのカヴァー曲。ストーンズの原点はR&Bにあるのがわかる。

"Not fade away" 同時期のグループとは一線を画すボ・ディドリー風の粗野なリズム。近年のライヴでもちょくちょくとりあげられている曲。ストーンズの音楽に対する姿勢は未だブレていないのが分かる所。

"It's all over now" 個人的には初期のシングル曲の中では最も秀逸な曲の一つだと思っている。Keith,Brianの2人によるギター構成が重厚な印象を与える。どうやら僕はアンサンブルの巧い曲が好きなのかもしれぬ。

"Time is on my side" この曲、イントロがオルガンのバージョンとギターソロから始まるバージョンの2種類ある。個人的にはオルガン・バージョンの方が好きなのだが、ストーンズのファンはどっちがよいと思っているのだろう?

”As Tears Go By” ストーンズはR&Bだけでない事がよく表れている曲。フォーク・ギターとストリングスの繊細なトーンがストーンズの別な側面を見せている。

"19th nervous breakdown" 1stアルバムに収録された"mona"の様なボ・ディドリー流のリズムを洗練させた逸品。R&Bカヴァーバンドからの脱却、そして成長が垣間見える曲。エド・サリバンショーの演奏も懐かしい。エンディングでのBillのベースさばきは必見である。いい仕事しています。

"Paint it,black" Brianの才能が光る逸品。シタールといえばBrianとGeorge Harrisonが双璧を成すと言っても良いだろう。幼少の頃、ストーンズの演奏をTVで見たのはこの曲が最初(だったと思う)。

"Have You Seen Your Mother Baby, Standing In The Shadow?" イントロのギターにファズ・トーンがかかってサイケな感じ。さらにブラスも畳み掛けるように入る。ストーンズも流行贔屓になりつつあるのが分かる曲。

この他にも"Satisfaction","Get Off My Cloud"等の歴史的ヒット作もあるが、以前の投稿で触れているので割愛させていただく。アルバムに収録されなかった大ヒット曲が含まれているので、この手の編集盤もストーンズを聴くには欠かせない。