洋楽好きの音盤銘盤

やっぱり洋楽は60年代が格好良い

【音盤銘盤】『スルー・ザ・パスト・ダークリー(ビッグ・ヒッツ Vol.2)』(The Rolling Stones) '69

デッカ・レーベル時代の2枚目となるシングル・ヒット盤。LPで発売された当初は四隅を切り取った八角形の変形ジャケットであった。


スルー・ザ・パスト・ダークリー(ビッグ・ヒッツ VOL.2)スルー・ザ・パスト・ダークリー(ビッグ・ヒッツ VOL.2)
(2010/11/24)
ザ・ローリング・ストーンズ

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リリース時期は1969年の9月であり、7月に亡くなったBrianの追悼の意味合いも込めてリリースされた経緯のあるアルバムである。『ビッグ・ヒッツ(ハイ・タイド・アンド・グリーン・グラス)』以降にリリースされたシングル盤の曲を中心に編集している。US盤とUK盤で曲目が異なっているが、現在出回っているのはUS盤なので、こちらを基準にする。

このアルバムで何よりも秀逸なのは”Jumpin' Jack Flash”である。サイケデリック・ムーブメントに一時期かぶれていたストーンズが再びR&Bに回帰したのが一聴してよく分かる。そして何ランクもレベルアップしている。演奏、ヴォーカルともにタイトで無駄な所が一切無い所が良い。音楽の中でこれほど短い期間で「近代化」を図ったグループも珍しいのではないだろうか。

「レット・イット・ブリード」に先行して発売された”Honky Tonk Women”も収録。ハードに押していくだけでなく、ゆったりとしたテンポで聴かせる名曲。

"Dandelion"も今の時代に聞き直すとそんなに悪くない。キラキラした雰囲気がちょっと微笑ましい。

敢えて物足りない所を挙げるとすれば、”Child Of The Moon”のようなシングルB面の隠れた名曲が入っていないことだろうか。シングルB面曲についてはまたの機会に取り上げよう。

それ意外の曲は既に紹介したアルバムでも取り上げているので、今回はこれでおしまい。これで60年代(DECCAレーベル時代)のストーンズのアルバムはほぼ取り上げる事ができた。

次回からはThe Kinksについて書く事にしよう。